現場が主役
株式会社リバイブの三代目社長として、今、平沼は事業への思いを次のように語る。
「先代を否定する気持ちはありません。ただ、時代の変化とともに、市場も、自分たちも変化していますから、これからの時代のやり方は変わって当然だと思います。かつては経営層が決めたことを実行するのが社員でした。しかし、今は現場の声を活かすスピード感が必要です。現場の声とは、ドライバーや作業者の声であり、営業の声です。私はそうした最前線でサービスを届ける現場の社員に、感じたことを言葉にして伝えてもらいたいと思っています」
その力強い言葉通り、リバイブでは社員の発言を活性化する仕組みづくりも始まっている。例えば、ドライバーが現場で過積載にも程があるというほど、廃棄物が積まれたトラックを見て、社内版SNSのヤマーに『あり得ない荷姿!』という言葉とともに、写真をアップしたことがある。すると、その投稿により問題はたちまち全社で共有できたという。営業は顧客に「気をつけてくださ
い」と即座に言うことができ、過剰積載を解消することで事故を未然に防ぐこともできた。
もはや、経営者は言いたいことを言い、従業員はひたすらガマンするという体制では、顧客に最適なサービスを提供することはできない。そして、管理者が声高に情報共有を呼びかけるだけの時代でもない。現場の声を聞きたければ、現場の声が聞ける仕組みをつくり、気軽に使用できる状況をつくればいいのである。
「ヤマーはどんどん情報をアップしてくれるドライバーや社員がいることで、社員全体に広がり、みんなが注目するようになってきました。ただ、これだけで充分とは思っていないので、私は現場の声を聞きながら、どのように現場近隣の住民と調和を図っていくか、どのように資源循環を促進していくかといった社会的に選ばれる企業になるための施策も、積極的に進めていきたいです」
現場と一体になって社業を展開したいという思いがよく伝わってくる。