廃棄物の分別を推進し、できる限り多くの資源を再利用する循環型社会を創造するために、同社が推進する分別教育のための「善・循環モデル現場」。国際的に資源循環を望む声が高まり、それに対応した日本の法令整備も進むなかで、2013年からリバイブはこのモデル現場の提案・普及に力を入れている。おかげで、同社では分別を望む顧客企業が確実に増大。こうした現象を見据えて奥村は次のように語る。
「分別が今、増えていて、そのうち日本の工事現場の廃材はすべて分別することになると思います。そんな時代の転換を目の当たりにして、何十年も前から分別を叫び、自主的にそれを推進してきた前社長はスゴイと心から思います」
感慨とともに奥村が語る言葉には、会社幹部のことだから(=前社長は現会長)、恩人のことだ
から褒めるといった邪念は一切ない。純粋にスゴイと思っている気持ちが伝わってくる。そんな人がいる組織の管理職になった今、奥村は自分を変えていく岐路に立っている。
「来月、管理職の基本セミナーに参加します。自分は一匹狼のタイプでしたが、課長になったこれからは仕事の姿勢や進め方、タイムマネジメント等、いろんなことについての意識を変えていく必
要があると思っています。それによって、自分の伸びしろを増やすことができるでしょうし、会社の仕事そのもののあり方を見直すこともできるんじゃないかと思います」
携わる人の意識が変われば、仕事のやり方は変わる。そこが、人間の仕事の面白いところである。
かけがえのない仕事に出会い、そこで出会った最愛の女性と結婚してマイホームまで建てた奥村。
そんな奥村の妻、敦子にこれからの生活への期待を尋ねると、穏やかな答えが返ってきた。
「なかよく健康に暮らしていくことです。今は好きなトラックに乗れて、家のこともできて、私は幸せですから」
その言葉を聞いて、奥村も自然に笑顔になった。そして
「名古屋に根を下ろして、会社のイメージアップになるような運転をするドライバー部門をつくっていきたいです」
と言った。望ましい未来は具体的な行動から生まれる。ドライバーとして豊かなキャリアを持つ奥村が、まず「運転」の見直し・強化に着眼したことは妥当である。敦子とともに心安らぐ家庭を築き、仕事の土台をかためた奥村のリバイブ人としてのキャリアは、これから開花していくことだろう。